2007 Fiscal Year Annual Research Report
消費者取引紛争の調整的解決促進に関する研究-アジア太平洋通商圏の比較として-
Project/Area Number |
19530076
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
山下 りえ子 Toyo University, 法学部, 教授 (00246779)
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Keywords | 紛争処理法制 / 消費者取引 / 国際商取引 / サイバー調停 |
Research Abstract |
本研究は、司法制度改革の一環として裁判外紛争処理手続(ADRs)が法制度面で整備(新仲裁法、ADR基本法の施行)されたことを受けて、日本とアジア・太平洋地域の横断的なADRsの運用実態の調査とその比較分析をその目的とする。初(平成19)年度には、i)比較対象をアジア・太平洋地域、ii)取引(紛争)類型として消費者取引から生ずる紛争(消費者対事業者、および消費者対消費者の2類型を扱う)について、対比の基本モデルとして地球規模での大規模国際商事仲裁を設定して、次の通り、文献調査および現地調査(学会参加等を含む)を行った。 1) 日本では、伝統的に各種調停・仲裁等のADRsを担当する機関が分野別、設置主体別に複数存在しており、また19年4月のADRs基本法施行以降民間NPO党を含めた多彩な調停機関等が設立されることが見込まれる。これら我が国における代表的なADRsについて、事業者内部の苦情処理機関と外部的ADRs機関の区別にも留意しつつ、その運用実態、担い手養成、および広報について調査を行った(とくに、建設工事紛争、スポーツ仲裁・調停、消費者苦情相談等)。また、石綿健康被害について、オランダの調停制度の調査を行った(日本・フランスの基金型との比較)。できるだけ広範囲の紛争類型について次年度も調査を継続する。 2) 海外調査として、(1)平成19年10月シンガポールで開催された国際法曹協会(IBA)大会(仲裁・調停部会)等に出席した。(2)平成20年3月香港で開催された、国際動産売買に関する模擬仲裁(15VISC.EAST)に仲裁人/審判として招聘を受けて参加するとともに同地での研究会議に出席した。(1)、(2)の機会に、現地での聴き取り調査を実施している。 成果の公表として、2)(2)のほか、平成20年6月に国際学会での報告・英文論文の投稿を予定している。
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