2008 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業のイノベーション戦略に関する理論及び実証研究
Project/Area Number |
19530263
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
文能 照之 Kinki University, 経営学部, 准教授 (30388491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 正次 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (90029918)
井戸田 博樹 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (10352957)
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Keywords | イノベーション / 経営革新 / 中小企業 / クラスター / 産業集積 / ICTケイパビリティ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に実施したアンケート調査により得られた企業データを活用した詳細な分析を行うとともに、その結果を踏まえ前回のアンケートに協力のあった企業を対象に追加のアンケートを実施した。本年度の主な研究結果は、以下に記すとおりである。 1、シュンペーター仮説に基づき、中小企業におけるイノベーションの実態把握を行い、イノベーションの創出に影響を及ぼす要因について回帰分析を行うと、企業が保有する経営資源を重点的な取り組みに集中するとともに、それを自社の強みとして認識し行動する企業でイノベーションが創出されていることが明らかとなった。このことは、経営資源の乏しい中小企業がイノベーションを創出するには、自社の強みを再確認しその延長線上で新たな取り組みを行うことが成功につながりやすいことを示しており、資源の選択と集中が大企業だけでなく中小企業においても重要であることを実証的に解明する発見となった。 2、産業集積とイノベーションとの関連性について共分散構造分析を行った結果、産業集積内の企業では、新規事業やプロジェクトを行う際のパートナーとなり得る企業が存在していることから、経営者が従業員とそれら企業の協力を得ることで、プロダクトイノベーションの創出が起こりやすくなっていることが判明した。 3、追加アンケートの結果、企業がイノベーションを創出するには、見えざる資産の獲得とその活用が効果的であることが実証データにより明らかにされた。
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