2008 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の人と家族に対する地方型サポートネットワーク形成の研究
Project/Area Number |
19530445
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
奥田 憲昭 Oita University, 経済学部, 教授 (60123585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋野 美智子 大分大学, 福祉科学研究センター, 教授 (90307976)
工藤 修一 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (20315310)
吉岩 あおい 大分大学, 医学部, 助教 (70363570)
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Keywords | 認知症 / サポートネットワーク / 地方 / 大都市郊外 / 過疎地域 / 地方都市 / 家族 / コミュティ |
Research Abstract |
本年度は、地方の調査対象地域の認知症サポートネットワークの特色を明らかにするため、大都市圏郊外(高齢化率30%以上の宝塚市山手住宅地と昭和30年代後半に開発され高齢化率が特に高い仁川団地)を調査し、集計作業を実施した。山手住宅地の調査対象世帯は4539世帯で回収率は37.7%、仁川団地の調査対象世帯は298世帯で回収率36.2%となった。 これら2地域の集計結果を昨年調査した4地域(高齢化率50%以上の集落を多く含む杵築市大田地区、城下町から発達した杵築市中心市街地、県庁所在都市大分市の中心市街地と郊外住宅地)の集計結果と比較分析した。調査結果の分析を全体的視点からの分析と地域間比較からの分析に大きく分け、全体的視点からの分析をさらに(1)各調査項目において共通する傾向、(2)大都市郊外(宝塚市)と地方(杵築市・大分市)との違い、(3)高齢化率が特に高い杵築市大田地区と宝塚市仁川団地の共通点に注目して分析した。 調査結果の詳細は2009年5月の西日本社会学会で報告するが、認知症サポートネットワークについて見出された基本的知見は以下のとおりである。(1)地方(大分県)4地域は大都市郊外(宝塚市2地域)と比較して、「家族や親族」との結びつきや近隣、氏子組織、消防団、民生委員といった「コミュニティ」との結びつきが強く、市役所の窓口・地域包括センター・警察等の「公的機関」との結びつきが弱い、(2)大分県4地域でもそれぞれの地域によりネットワークの違いがあり、大分市郊外は宝塚市住宅地に近い傾向を示し、過疎地域の大田地区はコミュティや社会福祉協議会との結びつきが特に強くなっている。
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