2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者サービスのマンパワー対策と労働市場の多角的分析
Project/Area Number |
19530549
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
佐々木 隆志 University of Shizuoka,Shizuoka College, 教授 (50178654)
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Keywords | 労働市場 / 福祉専門職 / 求職 / 求人 / 退職理由 |
Research Abstract |
2008年度は、これまでの筆者の介護労働の現状をまとめた論文を、科研費出版助成を受け刊行した。さらに、1,社会福祉専門職離職に関する先行研究を基に、施設職員・退職者について13名面接を実施し退職後の追跡調査を実施した。2,施設管理者に対して、職員の定着状況・求人内容休の聞き取りを実施した。この両者の調査から、以下のことが明らかにされた。 (1) 介護労働の求人状況は、静岡県東部及び西部の郊外にいくに従い、施設では職員確保に大変苦慮している。 (2) 上記の点は、介護福祉実習や社会福祉士実習を実施した際、実習生の8割は施設への就職を強く勧められている。中には、実習生の実習に要する交通費を全額支給している施設もみられた。 (3) 退職者による面接聞き取り調査より、居宅事業所においては8割以上の者が退職希望したが、退職しにくい現状が明らかにされた。 (4) 退職理由に共通していた点は、「育児や家事」「在宅介護」を主たる理由にあげていた。 (5) その他として、ヘルパー業務から「社会福祉士養成校」へ進学した者もいた。以上の研究結果から、施設では介護職員の確保に大変苦労している現状にある。この状況は、介護保険後、益々深刻になっていることが明らかにされた。離職に至った経緯は様々であるが、女性に関する「育児」「家庭の事情」等を直接の理由にする者の割合は高い。また、施設の理事長・施設長が直接介護福祉士養成機関へ求人活動に出ている現状下にある。これまでの調査から、福祉マンパワーの現状は地域差があることが明らかにされた。
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