2007 Fiscal Year Annual Research Report
児童・生徒の多面的目標によるピア・ラーニング・プロセスの促進に関する研究
Project/Area Number |
19530589
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 素之 Osaka University, 人間科学研究科, 准教授 (60303575)
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Keywords | 多面的目標 / 尺度構成 / 学級適応 / ピア・ラーニング / 児童 / 教室 |
Research Abstract |
本年度は、教室場面における児童の多面的目標について、その内容および概念について実証的に検討することを目的とし、検討を行った。 研究1 教室における児童の多面的目標の質的検討第1に、目標の概念的内容について検討するため、教室において児童のもつ多面的目標に関する質的研究を行った。大阪府内の公立小学校4,5,6年生の児童各40名、計120名を対象に、「学校や教室のなかで達成するように努力していること」に関する半構造化インタビューを行った。インタビューは、各クラスの生活班に基づいて1組4名前後で実施され、一組15〜20分で実施された。得られたインタビューデータを文字起こしし、努力する内容についての言及を目標として概念化した。類似した概念を統合し、結果的に得られた児童の多面的目標は、大別して社会的目標と学業的目標の2つのカテゴリー、向社会,親密,規範,主張,傾聴、学業の6目標概念が見出された。これはPatrick, Anderman, & Ryan, A.(2002)、Wentzel(2002)などの目標概念に近似するものであり、現実の教室状況を考慮した場合にも妥当なものであることが示唆された。 研究2 児童の多面的目標が学級適応に及ぼす影響に関する研究 次に、児童の多面的目標を測定する尺度を開発し、児童の目標が学習動機づけや学級適応にどのような影響を及ぼしているかについて検討した。大阪府内の公立小学校6年3クラスの児童を対象に、児童用多面的目標尺度、学級適応尺度が実施された。その結果、多面的目標は学級適応の諸側面を促進していることが見出された。
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