2007 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの脆弱性と不屈性-相反する心理性を育む地域という土壌の臨床心理学的解析-
Project/Area Number |
19530622
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
肥後 功一 Shimane University, 教育学部, 教授 (00183575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩宮 恵子 島根大学, 教育学部, 教授 (50335543)
三宅 理子 島根大学, 教育学部, 准教授 (20319833)
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Keywords | 心理的脆さ(脆弱性) / 地域親子関係構造 / 地域物語構造 / 地域自己構造 / 臨床心理学的地域支援 |
Research Abstract |
本研究は,地域社会における子どもの心理臨床的問題の発生には,地域社会のさまざまな構造に由来する脆弱性が反映されているとの仮説に基づき,A「地域物語の構造」,B「地域親子関係構造」,C「地域自己構造」の3つの解析から臨床心理学的地域支援の基盤となるモデルを得ようとするものである。平成19年度においては,A〜Cの3つの研究を次のように進めた。 A. 「地域物語構造の解析」 『"地域"には人々の語りを独自の民俗的「文脈」によって縛りコントロールしている物語構造があり,それが目に見えない形で地域-学校-家庭を,良くも悪くも繋ぐものとなって機能している』という基本仮説の実証に関連するデータを,主にスクールカウンセリングにおける相談事例及びコンサルテーションエピソードの形で収集した。 B. 「地域親子関係構造の解析」 平成19年度において,親子関係構造の分析に用いる事例収集のフィールドを確定する作業を進めた。エピソードの収集は進んだものの,町村合併による健診体制の変化,少子化による事例そのものの収集困難などにより,今年度中に長期追跡可能な事例選定に至らなかった。一方,親子関係について保護者(特に母親)の「子どもに対する抵抗感」を測定するアンケート調査を実施し,身体的な抵抗感の内実をとらえるのに有効な尺度項目を得ることができた。 C. 「地域自己構造の解析」 「脆弱性-不屈性」尺度を試作するためのベースとなる子ども及び親子関係の"気になる様子"について,大規模な予備調査を実施した。これによって保育者による自由記述の収集を完了し,項目選定作業に入ることができた。一方「声」の解析については,文献研究,サンプル音声による機器の操作試験等を進めた。
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