Research Abstract |
本年度は,キャンパスにおける事件・事故等の危機対応システムに関してコミュニティ心理学的観点から,ある危機事態に際して,どのように危機対応を行うか,どのように学内連携を行うか,どのように協働体制を構築,整備できるかを検討することを目的に事例研究および危機対応事例についての定性-定量的調査研究を行った。 平成19,20年に危機対応した82事例の分析を行ったところ,不登校・ひきこもり,精神科的問題,自殺関運問題,ストーキング・DV・性犯罪,事件・犯罪,ハラスメント,破壊的カルト,一時的混乱,その他に分類された。 つぎに,自殺企図,ストーキング・パートナーバイオレンス,学内での窃盗,のぞき・盗撮の事例について同様のいくつかの事例を累積的に検討することで,問題の明確化,対応目標の設定,危機に重要な影響を与える要因のリストアップ,リストアップされた要因に影響を与える背景的な環境要因の列挙,具体的な対応を整理した。それを通じて,何が危機であり,危機の場所や範囲,いつ,どのように対応したらよいかを考察した。 その結果,初期対応の体制が整うまでの措置,情報の収集,集約,整理,伝達,危機対応体制の迅速な確立,危機対応計画の作成と実行,その点検と評価のポイントが明らかになった。
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