2007 Fiscal Year Annual Research Report
教育課程「ゆとり教育」の政策評価に関する研究-定着度と阻害要因の分析を中心に-
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19530700
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河野 和清 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (30116579)
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Keywords | ゆとり教育 / 教育課程 / 指導主事 / 政策評価 / 行政研修 / 校内研修 |
Research Abstract |
1. 本年度は、教育課程一般及び「ゆとり教育」の定着化を図るために、教育委員会がこれまでどのような対応をしてきたか、そのプロセスや実態を資料の収集や聞き取り調査を通して明らかにすることを目的としていた。 2.今回の資料収集や聴き取り調査の結果、次のようなことが明らかになった。 (1)教育委員会による教育課程の定着の方策は、研修(校内研修、行政研修)、研究指定校の指定、校長会等での研修、指導主事による訪問指導などがある。 (2)教育課程の定着化を図るためには、指導主事の役割、つまり指導行政の役割が非常に大きい。その意味では、町村教育委員会に未だに十分な指導主事が配置されていないのは大きな問題がある。 (3)教育課程の定着化に果たす学校側の役割と責任は極めて大きい。とりわけ、校長等の学校管理職の姿勢は大きく影響し、教育課程の定着の成否は管理職にあると言っても過言ではない。同時に校内に、研修等を通して教育課程の定着化を図る体制をどう構築するかが大きな課題である。これは教育課題経営に係わる問題である。 (4)教育委員会では、教育課程の定着化ないし成果について十分な評価を行ってこなかった。評価の難しさもあるが、これが今後の教育課程行政の大きな課題となる。 3.今後の課題 今後、教育課程の定着化の分析の際には、行政研修、学校指導訪問、指導主事の整備、教育課程の施策評価、学校側の態勢(校長、校内研修等)の観点から詳細に検討していく必要がある。とりわけ学校側から見た教育課程の定着化の分析は重要である。
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