2009 Fiscal Year Annual Research Report
教育課程「ゆとり教育」の政策評価に関する研究-定着度と阻害要因の分析を中心に-
Project/Area Number |
19530700
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河野 和清 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (30116579)
|
Keywords | ゆとり教育 / 総合学習の時間 / 校内研修 / 学校評価 / 教育課程 |
Research Abstract |
1. 本年度は、「高等学校の教育課程に関する全国調査」を実施し、高等学校の教育課程の定着状況や、その定着を阻害している阻害要因を明らかにすることを目的としていた。 2. 本調査の主な結果は、以下の通りである。 (1) 約8割の学校が特色ある学校づくりをしていると回答している。 (2) 約7割の字校が「生徒が目標をもつて、生き生きと学校生活を送っている」と回答している。 (3) 学校の教育課程の定着を阻害している要因として、教職員の時間的余裕のなさ、予算措置の不足、校内研修の不十分さ、教職員の力量不足、共通認識不足、時間割編成の複雑さ、教育目標の曖昧さとその測定困難さ、などが指摘されている。 (4) 約5割の学校が一年間、PDCAのマネジメントサイクルに基づいて学校運営をしたと回答している。 (5) 約5割の学校が「総合的な学習の時間」が生徒の学舎成長にとって役立っていると認識している。 (6) 約4割の学校が総合学習の実施に向けた校内研修を実施している。 (7) 約3割強の学校が総合学習の実施に向けた、教職員間の協力体制が確立していないと回答している。 (8) 約5割近くの学校が総合学習を実施する上での予算措置が十分でないと回答している。 3. 今後の課題 今後、教育課程の定着化の分析に当たっては、学校内の一般教員の側から見た阻害要因の分析、生徒が教育課程をどう捉えているかの分析、そして阻害要因の排除のためにどのような解決策を講じているかの分析など、が必要となる。
|