2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会の変容下における定時制高等学校の危機と対応過程
Project/Area Number |
19530753
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
柿内 真紀 Tottori University, 生涯教育総合センター, 准教授 (70324994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直史 鳥取大学, 生涯教育総合センター, 准教授 (50346334)
太田 美幸 鳥取大学, 生涯教育総合センター, 講師 (20452542)
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Keywords | 教育学 / 社会学 / 定時制高校 / 生徒文化 / 教員文化 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に対して,次の成果を得た。 (1)これまでの収集資料,定時制高校聞き取り調査(6都県25校)等をもとに,都道府県レベルの高校改革とその中での定時制高校の位置づけについて,現状分析をおこなった。 (2)学校基本調査(1948年〜2007年)をもとに、定時制高校の生徒数と学校数の推移を分析し、定時制高校の発展形態を、「都市型一地方型」「伝統型一改革型」の2軸により類型化した。 (3)聞き取り調査等をもとに、現在の定時制高校生徒の質的多様性について分析し、仮説的に類型化(順社会・反社会・非社会・脱社会)を行った。さらに高校類型ごとに生徒層が異なることを指摘し、それぞれの高校類型が抱える課題を整理した。 (4)上記(1)(2)(3)の分析に基づいて,教員及び生徒を対象にした質問紙調査を,地域の産業と結びついていると思われる3地方都市を抽出し,定時制および通信制・全日制(普通科・専門学科)高校を対象に,2〜3月に実施した。分析は,次年度4月以降におこなう予定である。 (5)上記の分析結果について,日本教育社会学会において共同研究発表をおこなった。 (6)本年度も以上の研究計画実施にあたって,月2回程度の定例研究会を継続しておこなった。 以上の成果は,本研究目的の一つである,現代の定時制高校が抱える問題とそれへの対応過程の分析を行い,質的変容の特質を捉え,そこから青年期初期を中心とする現代定時制高校の社会的役割と生徒達にとって持つ意味の明らかにすることにおいて,その一端を提示できた点で意義をもつ。
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