Research Abstract |
本研究は,模擬授業や教育実習等で児童生徒への授業を経験した学生が,教員採用後,授業の構想・実践をどのように行っているのか,また,改善しているのか等を追跡し,養成段階で押さえるべき内容を検討するための基礎資料を得ることを目的としている。 そのため,具体的には,はじめて授業を行う段階(3年次春期教育実習)から卒業後2年程度を経た勤務校での授業の具体について,継続して変容が検討できる記録をとり,授業構成や児童生徒対応に関わる意志決定について聞き取る。そして,この期間に見られる変容に注目し,データを基に教員養成カリキュラムに含むべき内容や要素を検討する。 研究1年目は,教科指導を中心として小中学校教員が行う主な職務を洗い出し,養成から採用後を通じて追跡する観点を設定する。また,3年次,4年次生で経験する模擬授業や教育実習の授業を記録するとともに,追跡対象者の勤務校に赴き,授業を観察・記録し聞き取りを行う。 研究2年目,3年目は,1年目と同様に,教育実習授業の記録とともに,追跡対象とする教員の授業を観察・記録する。そして,養成段階での経験と現職教員の場で必要とされる力の関連を検討する。 なお,4年目も,授業記録を継続するが,研究の総括として,追跡対象者の大学3年次からの授業記録を比較し,授業構想・展開,児童生徒対応の観点からその変容や教師になって新しく習得した内容や力をまとめる。
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