2007 Fiscal Year Annual Research Report
インクルーシブな聴覚障害児童への学習支援のための包括的アセスメントに関する研究
Project/Area Number |
19530867
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
鳥越 隆士 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 教授 (10183881)
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Keywords | 聴覚障害児童 / 学習支援 / インクルージョン / アセスメント |
Research Abstract |
本研究は,インクルーシブな学習環境(通常学級や難聴学級に在籍)下での聴覚障害児童に対して学習支援を行うための包括的なアセスメント方法の開発を行うものである。具体的には,聴覚障害児童の言語や学習面を中心とした特別なニーズのアセスメントを行うための包括的なチェックリストの作成,教育現場での試用とその結果に基づく個別支援計画作成への援助,さらに計画に基づく指導の実施と再評価を通して聴覚障害児童への学習支援の評価のあり方の検討を行う。そのために,まず難聴学級や聴覚障害児が在籍する通常学級での参与観察を行い,同時に本人,担当教諭,家族への面接を通して,学習状況の評価システムのあり方に関するニーズ調査を行う。またこれに関する内外の調査研究報告や実践報告等をレビューし,言語や学習面を中心としたアセスメントの種類や実施状況について検討することを目標にした。平成19年度は,センター校方式の小学校難聴学級を中心に,訪問した。訪問回数は,学級ごと1回から数回程度とし,交流学級及び難聴学級の授業場面を参与観察した。また比較対象のため,ろう学校小学部も訪問し,学級の参与観察を行った。また本人及び担当教師に面接を行った。参与観察及び面接で収集した資料は,学習の実態や支援ニーズに関するもので,例えば,言語能力に関するもの,手話を含めたコミュニケーションに関するもの,学習上の問題,交流学級への参加の状況,言語やコミュニケーションに対する意欲,学習上の支援ニーズに関してなどであった。本人への学習支援のためのアセスメントの資料として一部の学級でK-ABC検査を実施した。来年度は,これらの資料をもとに,学習支援のためのチェックリストの試作を行う予定である。
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