2009 Fiscal Year Annual Research Report
イーラーニングシステムを利用した発達障害児をもつ親支援プログラムの効果
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19530869
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 雅彦 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20252819)
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Keywords | 発達障害児 / 家族支援 / ペアレント・トレーニング / イーラーニング |
Research Abstract |
広汎性発達障害児を持つ親に対して,インターネット上で行動変容法の講義と演習を実施し,その効果を親の精神健康,子どもの行動,親の行動変容法に基づいた養育に関する知識の側面から検討することを目的として実施した。対象者は,介入群12名と介入遅延群12名の2群に分けられた。各群は,対象者の年齢(t(21)=-1.33, n.s.),対象児の年齢(t(22)=.28, n.s.)および社会生活能力指数SQ(t(19)=.01, n.s.)がほぼ等質になるようにマッチングを行なった。介入群,介入遅延群ともに,親に対して心理的ストレス反応測定尺度(SRS-18),育児ストレスショートフォーム(PS-SF),「子どもとの関わり方アンケート」を実施した。子どもに対しては,子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)を実施した。 結果,両群でプログラムに対する対象者の高い満足度を得ることができ,親に関してSRS-18、PS-SF、親の行動変容法に対する知識の改善が見られたが両群で統計的に有意な差を見いだすまでには至らなかった。子どもの変容に関しては介入群のSDQの下位尺度について仲間関係において有意な上昇傾向が認められた(z=-1.725,p<.10)。今後は、より厳格な群設定におけるデータ解析とネットでの利用と実際のワークショップとの併用など新たな活用方法の検討が望まれる。
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