2009 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育移行期における特別支援学級・通級指導教室の動態分析
Project/Area Number |
19530870
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
越野 和之 Nara University of Education, 教育学部, 准教授 (90252824)
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Keywords | 特別支援教育 / 小学校 / 中学校 / 特別支援学級 / 通級指導教室 / 全校支援体制 / コーディネーター / 校内委員会 |
Research Abstract |
本研究は、小学校・中学校における特別支援学級および通級指導教室の実態と年次的な推移を明らかにし、通常の学校における「特別支援教育」構想の中核的概念である「全校支援体制」の成立条件および「特別支援教室」構想への展望を検討しようとするものである。2009年度においては、以下の調査・検討を実施した。 1.特別支援学級等に関する統計量の電子化と分析:前年度までに整備してきた『学校基本調査』関連データ(1977~2008年)に本年度分を加え、特別支援学級の開設状況、在籍状況を検討した。特別支援学級の学級数および在籍児童生徒数の著増は全国的傾向だが、都道府県間における大きな差異は引き続き解消されていないことが明らかになった。 2.07-08年度「特別支援教育の推進体制に関する全国実態調査および特別支援学級全国実態調査」の分析:過去2年間の調査データについて焦点を絞って分析した。「整備されつつある」と言われる特別支援教育に関する学校内外の体制は多分に形式的で必ずしも十分に機能していないこと、校内体制の機能状況は特別支援学級の有無など、校内特別支援教育資源の多寡以上に学校規模に左右されること、学校規模でマッチングすれば特別支援学級設置校の方が特別なニーズのある子どもの把握率は高く、特別支援学級等は校内特別支援教育体制にとって有効な資源であることなどが明らかになった。 3.09年度「特別支援教育の推進体制に関する全国実態調査および特別支援学級全国実態調査」の実施:上記2の調査結果を踏まえつつ、特別支援教育実施第3年次にあたる2009年度の実態を把握すべく、前年度調査に必要な修正・改善を加え調査を実施した。対象校は前年度同様、10%の無作為抽出とし、約3300校に調査票を送付した。
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Research Products
(2 results)