2009 Fiscal Year Annual Research Report
重度・重複障害児の内的表現能力の脳科学的実証とそれを促進する指導法の開発研究
Project/Area Number |
19530883
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
笹本 健 The National Institute of Special Education, 教育支援部, 上席総括研究員 (40141999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牧 謙吾 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 上席総括研究員 (50371711)
徳永 亜希雄 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 主任研究員 (10359119)
玉木 宗久 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 主任研究員 (00332172)
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Keywords | 重度・重複障害児 / 身体運動 / 意思の疏通 / NIRS測定 / 脳科学 |
Research Abstract |
(研究実績) 1.2回行った研究所でのNIRS測定の場と実践フィールドでの活動を通して、前年度に確認された障害児・者と保護者中心のサークルならびにネットワーク活動が発足し、数多くの情報や資料を改めて収集することができた。さらに、それらの活動を通じて、NIRSの測定や指導実践への活用に関するピア・オピニオンを収集することができた。 2.研究所において、延べ10事例程度の重度の運動障害児に対する筆記課題遂行中のNIRS測定できた。脳賦活部位の測定の結果、STAや筆談における筆記課題遂行中の賦活部位として前頭葉部分に優位な傾向が見られた。しかし、測定実施中に不随意の筋緊張が入ってしまうなど、アーチファクトの関係で、信頼できるデータが収集できたのは1事例だけであった。測定方法や内容に関して今後の課題が多い。 3.STAや筆談の実践サークル活動において、当事者が学校における指導内容・方法やアセスメントに関する利用者側の貴重な意見を収集することができた。 例えば、本や教科書に記載されている文字は、読むのではなく一瞥して瞬時にその内容を学習することができる(通常とは異なる認識方法の可能性の示唆)、それらの能力を持つ人々がかなり学校にいること、等々である。これらの意見は、ガイドブックや研究成果報告において反映されている。 4.特別支援学校における重度・重複障害児といわれ、指導が困難と思われる子どものSTAや筆談を活用した、内的能力の確認方法や指導実践の留意点について、まとめることができた(ガイドブックの作成)。 5.本研究で活用している内的な表現能力を促す方法(STA)による実践は、学会レベルではほとんど発表が行われていない状況である。しかし、今回、発表を行い、今後更に学術研究のネットワークができるとともに、資料の収集の機会が増加することが予想できる。
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Research Products
(3 results)