2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代のインフォーマル経済とバリューチェーン
Project/Area Number |
19539002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 環 Kyoto University, 東南アジア研究所, 研究員 (30452288)
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Keywords | インフォーマル経済 / バリューチェーン / 都市 / 東南アジア |
Research Abstract |
本研究の目的は、グローバル化時代のインフォーマル経済に注目しながら、バリューチェーン(Value Chain)分析を、経済的側面、制度・社会的側面の両方から実証的に検討することである。初年度の平成19年度は、全体像を把握するため、マクロ統計の収集とデータの集計・分析、おより生産関係の類型別整理を進めるための基礎資料の入手を行った。グローバル資本、タイ系大手資本、タイ系地場資本、零細資本の4つの分類を明確化するため、大企業に関しては企業便覧などの収集を行った。また零細資本に関しては、2007年初頭に京都大学経済学部に提出した博士論文でも取り上げた靴製造業者や元請業者を追跡訪問し、海外への展開の状況、国内での販売ルートや製造工程の把握、出稼ぎ労働者や下請けを発注する内職労働者の労働条件などの予備調査を行った。現在、零細資本であっても、独自のルートを使用して、近隣アジア諸国に輸出を行っている。販売ルートの発掘は、個人を介しての紹介や偶然性も高いが、一回取引が開始されると、諸々の信頼制度が構築されている。調査の取っ掛かりを掴むため、1つの零細資本を対象に、インタビューを繰り返している。 また、バリューチェーン分析の手法を精緻化するため、分析手法の開発で実績を持つサセックス大学開発学研究所を訪れ、研究者との交流を行った。また、イギリスノッティンガム大学では、靴の内職に関わる都市下層の女性労働者と元請の生産関係および労働条件に関わる研究報告を行い、様々な意見交換を行った。サセックス大学の研究者や、サセックス大学と長く交流しているタイやフィリピンの研究者と共に、今後も分析手法やフィールド調査の知見を共有し、議論を深める予定である。
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Research Products
(1 results)