2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19539004
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
漆原 宏次 Health Sciences University of Hokkaido, 心理科学部, 准教授 (00342197)
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Keywords | 連合学習 / 刺激競合 / 随伴性判断 / コンパレータ仮説 / レスコーラ・ワグナー理論 / 情動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまでの研究において明らかにされてきた、古典的条件づけ等の基本的学習過程とヒトの関係性学習の連続性に基づき、近年動物を対象とした古典的条件づけの分野で発見された、申請者自身によるものを含む最新の知見、特に、刺激競合という一連の現象に関する知見が、随伴性判断や因果推論などヒトの関係性学習場面にどの程度応用可能かを実験的に検証することを通じ、ヒトの学習の基礎メカニズムを明らかにすることである。20年度は、昨年度整えた研究環境を利用し、これまで動物の古典的条件づけ場面においてのみ報告されている過剰予期効果という刺激競合現象がヒトの連合学習場面でも生じるかを検証する実験を二つ行った。この現象は、刺激競合に対する限定資源仮説に基づいたレスコーラ・ワグナー理論により最初に予測された現象であるが、実験の結果、二つの実験においてヒトではこの現象は見られないことが示唆された。この実験については、来年立命館大学で行われる日本心理学会大会で発表する予定である。また、刺激競合に関する、これまで自らが関わった研究成果に基づく二つの論文が国際査読誌に受理され、次年度刊行される運びとなった。
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Research Products
(4 results)