2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 健一郎 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (50292496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10284150)
坂内 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (90343201)
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Keywords | 代数学 |
Research Abstract |
今年度は混合楕円モチーフの研究を行った。最終的な目標はBloch-Krizによる淡中圏としての混合Tateモチーフの構成を楕円モチーフに拡張することであるが、今年度はその準備段階としてGoncharovによるBloch群の楕円版の定義および楕円曲線の積のL関数についての予想について研究を行った。得られた結果は、楕円曲線の積の関数体のK群からコホモロジー群へのregulator写像の単射性に関する結果である。具体的には、Beilinson予想を仮定して、GoncharovによるBloch群の楕円版からできる複体のホモロジー群からDeligneコホモロジーへのregulator写像が単射になることを示した。Beilinson予想を仮定する必要がある点においてこれはまだ不十分な結果である。Goncharovの構成は、L関数の特殊値に焦点を置いたものであるが、淡中圏としての楕円モチーフを構成することで、より包括的な視点が得られ、より自然なBloch群の定義が得られるものと思われる。 今年度のもう一つの研究テーマはモチーフのゼータ関数の有理性に関するものである。これは広島大学の木村俊一氏、高橋宣能氏との共同研究である。モチーフのゼータ関数は、そのモチーフが木村俊一氏の定義した意味において有限次元であれば有利関数になる。純粋モチーフは木村氏の意味で有限次元であると予想されるが、混合モチーフには木村氏の意味で有限次元にならないものがある。この研究では、混合モチーフがSchur-finiteというある種の有限次元性を持つ場合にゼータ関数が有理関数であるかを研究した。結果は、ある意味で有理関数になる、というものである。しかし、最も強い意味(``一様に"有理的)にはならない例も見つけた。
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Research Products
(5 results)