2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540007
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 健一郎 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (50292496)
|
Keywords | 代数学 |
Research Abstract |
本年度は混合楕円モチーフの圏の構成を寺杣友秀氏との共同研定により進めた。 具体的には、ある種の群の表現の圏の構成の類似としてDG圏と呼ばれるものの構成を行った。Bloch-Krizの構成に習い、楕円曲線の積の上の代数的サイクルから次数付き擬微分代数(quasi-DGA(differential graded algebra))を構成し、その上のbar-comoduleの圏として混合楕円モチーフの圏を定義した。当初の目標の一つであった、楕円ポリログを我々の定義による混合楕円モチーフとして解釈することに成功した。 残る課題はこの圏に対応るHopf代数の構成である。そのためには々のDGAのbar構成である複体のコホモロジー群に、可換な積と余積を定義する必要がある。余積の定義に大きな問題は無いが、積の定義には、我々の定義した混合楕円モチーフの圏に結合律を満たすテンソル積の構造を定義しする必要がある。現在対称群の表現論を使ってその構成を進あている。また、定義した積が可換てある必要もある。今の定義で期待てきることは、ホモトピーを除いて積が可換なことを示すことである。これによりコホモロジー群には可換な積が入ることが分かる。現在寺杣氏と共同でこの証明に取り組んでいる。 以上が完了したら次はホッジ、エタールの実現関手の構成、および我々の圏からVoevodskyのモチーフの圏への自然な関手の構成を行う。また、代数体のゼータ関数の値が多重Log関数で表わされるというZagier予想の楕円版(楕円曲線のゼータ関数の値は楕円多重Logを使って表わされる)への応用について研究する。
|
Research Products
(2 results)