2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540044
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河田 成人 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50195103)
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Keywords | 有限群 / 群環 / 多元環 / 表現 / 概分裂列 / Auslander-Reiten有向グラフ |
Research Abstract |
有限群のモジュラー表現(正標数の体上の表現)と整数表現(標数0の完備離散付値環上の表現)をAuslander-Reitenの理論を通して統一的に理解することを目標として研究を進めた.特に射影加群のAuslander-Reiten有向グラフ内における位置を考察して行くなかでHeller格子と呼ばれる整数表現の重要性の一端が見出されてきた.ここでHeller格子とは,モジュラー表現加群を整数表現と見なしたときの射影被覆の核となっているような整数表現加群のことである.例えば,射影的整数表現加群の根基は,単純なモジュラー表現加群のHeller格子である. ところでモジュラー表現加群のHeller格子を考えるとき,まず見極めたいことは,直既約かどうかということである.一般にはモジュラー表現加群が直既約であったとしても,そのHeller格子は直既約とは限らない.しかし群環の係数環としている完備離散付置環が十分に大きいときには,直既約なモジュラー表現加群のHeller格子が直既約であることが成り立つ.この事実は論文 S.Kawata:On Heller lattices over ramified extended orders,J,Pure Appl.Algebra202(2005),55-71で発表したが,実はその証明には不備な箇所が見つかった.そこで証明を訂正するためにHeller格子の性質を更に深く研究した.特に,Heller格子の自己準同型環とモジュラー表現加群の自己準同型環との関係を分析し,これらの自己準同型環が局所環であることを示すことによって,Heller格子の直既約性を証明することができた.
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Research Products
(3 results)