Research Abstract |
本年度は下記課題の解析に主力を注ぎ,注目すべき進展が得られた:課題(A,m)はNoether局所環,Qは環Aの巴系イデアルとし,I=Q:_Am^n(n>O)とおくとき,(1)イデアルQがIのreductionとなるための条件を,環AとイデアルQの言葉で記述する。(2)イデアルQがIのreductionになるとき,そのreduction数r_Q(I)=min{n≧O|I^<n+1>=Q I^n}を,環AとイデアルQの不変量によって記述する。(3)イデアルQがイデアルIのreductionであるとき,blow-up代数R(I),G(I),F(I)は,どのような環構造を持つかを解明する。 研究の進行に伴い,Cohen-Macaulay局所環内のm-準素イデアルのHilbert係数に関するSallyの予想に対し,重要な応用が発見されたので方向を転じ,Sally加群の構造解析に着手した。得られた知見を下記2論文に纏めた。 [1]S.Goto,K.Nishida,and K.Ozeki,Sally modules of rank one,Michigan Math.J.(to appear) [2]S.Goto,K.Nishida,and K.Ozeki,The structure of Sally modules of rank one,Mathematical Research Letters(to appear) これらの成果は,2007年6月にLeipzig(ドイツ),7月にBusteni(ルーマニア),9月にCortona(イタリア),12月にHanoi(ベトナム)で開催された国際研究集会で講演を行い,2008年1月Mumbai(インド)で開催されたCIMPAschoolで連続講義を行うなど,成果の発表と普及に努力した。
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