Research Abstract |
平成20年度は下記3課題の解明に重点を置いた。 (1)(A,m)はNoether局所環,Qは環Aの巴系イデアルとし,I=Q:A mn(n>0)とおく。 (a)イデアルQがIのreductionとなるための条件を,環AとイデアルQの言葉で記述する。 (b)イデアルQがIのreductionになるとき,そのreduction数rQ(I)=min{n≧0|In+1=QIn}を,環AとイデアルQの不変量によって記述する。 (c)イデアルQがイデアルIのreductionであるとき,Blow-up代数R(I),G(I),F(I)は,どのような環構造を持つか,解明する。Cohen-Macaulay環,Gorenstein環,あるいはBuchsbaum環となるための条件を環Aと巴系イデアルQの言葉で記述する。 (2)Noether局所環(A,m)内でI=Q:Amとおいたとき,等式I^2=QIが成り立つような巴系イデアルQの汎在性を確立し,Blow-up代数R(I),G(I),F(I)の環構造を解析する。 (3)与えられたCohen-Macaulay局所環(A,m)内のm-準素イデアルのHilbert函数の挙動を,そのSally加群の構造解析を手法に解明する。 平成20年8月日本数学会代数学分科会シンポジウムで,課題(3)について報告した。平成21年2月中旬には,IMVAST(Institute of Mathematics,Vietnamese Academy of Science and Technology,ベトナム)の所長であるN.V.Trung教授のほかに,日本とベトナムの若手研究者を交え,明治大学生田キャンパスで第4回Japan-Vietnam Joint Seminarが開催されたが,そこで上記課題に関する共同研究を行った。発表論文などは,別ページの通りである。
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