2007 Fiscal Year Annual Research Report
可分距離空間とその上の連続写像の力学的・幾何学的構造の研究
Project/Area Number |
19540063
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 久男 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 克郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50036084)
川村 一宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40204771)
金戸 武司 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70107340)
山崎 薫里 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80301076)
南 就将 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10183964)
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Keywords | カオス / 拡大同相写像 / 非分解空間 / エントロピー / 写像空間 / フラクタル / エルゴート理論 / 連続体 |
Research Abstract |
従来の力学系の研究は、相空間として多様体を、写像としてはある程度の微分可能性を仮定した下でなされてきた。本研究では、相空間として一般のコンパクト距離空間を取り扱い、連続写像のカオス的な性質を位相的・エルゴート的に考察した。複雑な連続写像の力学系は複雑なトポロジーを導き、アトラクターや不変集合などは大変複雑な構造をしている場合が一般的で、複雑なコンパクト距離空間を研究対象にせざるを得ない。この場合、通常の微分可能性を仮定した力学系理論とはかなり異なったものになる。研究代表以前の研究で拡大同相写像が存在する1次元の連続体は、indecomposable構造を持つことを証明していたが、本研究では、エントロピーの評価からhereditarily indecomposable continua上には拡大同相写像は存在しないことを証明した。また、フラクタル幾何学で重要な空間であるregular curve上のpiecewise embedding mapsのエントロピーに関して、その完全な形の計算公式を求めることに成功した。区間の場合は、Misiurewicz,Szlenk and Youngのラップ数による表現定理として著名であるが、我々の結果は、彼等の結果を区間からある種のフラクタル集合上に拡張した定理と考えられる。更に、コンパクト距離空間から多面体及び多様体への(連続)写像空間において、Higher Dimensional Bruckner-Garg Type maps,Lelek maps,Bing mapsなどのクラスの集合が、それぞれ写像空間全体の中でG-デルタ稠密になるという近似定理を証明した。
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Research Products
(4 results)