2008 Fiscal Year Annual Research Report
1階言語で定義された算術理論のモデルの研究とその応用
Project/Area Number |
19540111
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪井 明人 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30180045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 一磨 聖徳大学, 児童学部, 講師 (10383449)
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Keywords | 言語 / モデル / タイプ / 単純性 / 排除定理 |
Research Abstract |
理論を固定したときのモデルの定義可能集合とその振る舞いについて研究することが本研究のひとつの目的になっている.モデルの性質としてタイプの排除性に注目して本年度の研究は行われた.タイプの排除性定理は可算言語のモデルに関する定理で,孤立的でないタイプに対して,そのタイプを排除する(すなわちそのタイプの解が存在しない)モデルの存在を主張する.位相空間論におけるBaireのカテゴリー定理のモデル理論版であり非常に重要な定理である.このタイプの排除定理の拡張を考えた結果次の結果を得た. (1)Mを有限生成でない超単純(supersimple)な可算モデルとする.いまタイプp (x) が排除されているとする.このときMの真なる基本拡大Nでp (x) を排除するモデルが存在する. (2)Sを完全タイプの集合でその濃度が連続濃度より小さいとする.このときSを排除するモデルの濃度に関してHanf数が存在する. (1)はシュタインホーンの定理(無限一様列が存在するsuperstable理論の場合)の拡張になっていて,さらに証明も飛躍的に簡単になっている. (2)はモーレイのタイプ排除定理とシェラーのタイプ排除定理を結びつける結果である.モーレイのタイプ排除定理は可算個のタイプに関するHanf数の存在定理であり,シェラーのタイプ排除定理は通常のタイプ排除定理の「可算個のタイプ」の部分を完全タイプに限れば「連続濃度未満の個数のタイプ」にかえることができるという非常に面白い定理でありこれらを結びつけるところが興味深いと思われる.
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Research Products
(4 results)