2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540112
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 真弘 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (30251028)
|
Keywords | 数理論理学 / 集合論 / 無限組合せ論 / 巨大基数 / 強制法 / フィルタ / 飽和性 / 定常集合 |
Research Abstract |
巨大基数の存在を仮定して,ω1,ω2,…等の小さな無限基数が巨大基数に類似した性質をもつようなモデルを構成することを目的として研究してきた.特に Kunen による次の定理は非常に有名である: 定理.Huge基数を含むモデルから出発して,強制法によりCC"ω1上にω2-飽和な可算加法的イデアルが存在する"モデルをつくることができる. これまでの研究によりKunenのモデルの新しい,より簡単な構成法を得た.これにより,Kunenの手法を変形することで得られていた種々のモデルにも,より簡単な構成法がある可能性がわかった.よく知られているように,KunenのモデルにおいてはいわゆるChangの予想(ω2,ω1)→(ω1,ω)の成り立つ.我々の新しいモデルでもChangの予想が成り立っことは容易に確かめられる.このアイデアを発展させるにより,Changの予想の3次元版のモデルを構成し,証明をほぼ書き上げることができた: 定理.2-Huge基数を含むモデルから出発して,強制法により(ω3,ω2,ω1)→(ω2,ω1,ω)が成り立つモデルをつくることができる. 実はこの結果自体は Foreman により既に証明されている.しかし彼の手法では解決できなかった,Changの予想の4次元版を新しい手法によって証明できる可能性が生まれた.
|