2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540135
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
土屋 卓也 Ehime University, 理工学研究科, 教授 (00163832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貴 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40114516)
大塚 寛 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30203839)
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Keywords | 数値解析学 / 有限要素法 / 自由境界問題 / 微分多様体 / 反復解法 |
Research Abstract |
平成19年度は、ダム問題といわれる自由境界問題に対する反復数値解法について調べた。ダム問題に対する変分原理を支配する汎関数の第一変分を求め、それを使った反復解法を2種類試してみた。まず、「最急降下法」ともいえる反復スキームを試した。これは、汎関数の第一変分に適当な減速係数をかけ、その量だけ領域を摂動させるというものである。しかし、このスキームはどんなに減速係数を小さくとってもすぐに反復が不安定になり、10数回程度の反復で計算が停止してしまうことがわかった。次に、名古屋大学の畦上教授が発見した「力法」(traction method)と呼ばれる反復スキームを試した。これは、境界上で汎関数の第一変分をNeumann条件に持つような調和関数を求め、その調和関数のDirichletデータだけ領域を摂動するというものである。数値実験の結果、このスキームはダム問題に関して非常に効果的であることがわかった。しかも、「力法」による反復は非常に滑らかであるため、減速係数をかける必要がまったくないこともわかった。 次に、「力法」がなぜダム問題に対して有効であるか、その理由を数学的に解明することを試みた。しかしこれはなかなか難しく、現時点では、なぜ「力法」がダム問題に対して有効であるのかは不明である。このためには、ダム問題の変分原理を定義する汎関数の第二変分を求める必要があるので、今は第二変分を求めるべく努力している。
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Research Products
(4 results)