2007 Fiscal Year Annual Research Report
密度依存型の拡散項をもつ反応拡散方程式の解の分岐構造
Project/Area Number |
19540136
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
観音 幸雄 Ehime University, 教育学部, 教授 (00177776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 茂 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (50215620)
柳 重則 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (10253296)
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Keywords | 2種競争系 / 分岐構造 / 数値的検証 |
Research Abstract |
重定・川崎・寺本(1979)によって提出された競争関係にある2種の個体群密度の動態を記述する反応拡散方程式(2種競争系)を考察し、定常解や周期解などの解の存在・安定性を調べることにより、生物の共存メカニズムを解明しようとしている。 本年度は、生物の住処を球の内部とし、求める解を球対称解に制限した最も単純な場合について研究を行った。局所的な分岐構造は定数定常解の周りでの線形化作用素の固有値と対応する固有関数を用いて、固有値および固有関数はベッセル関数を用いて表現することができる。つまり、局所的な構造の研究はベッセル関数の性質を調べることに帰着される。ベッセル関数に関してはこれまでに多くの研究があるが、局所的な構造の決定に必要な結果を見つけ出すことができなかった。そこで、本年度は、数学的な手法と、数式処理や区間演算などの数値的な手法を相互補完的に用いて、局所的な構造の決定に必要なベッセル関数の性質を調べることにした。 数学的な手法により数値的な検証を行わなければならないパラメータの範囲を特定し、その範囲内で数値的な検証を行うことにより、定数定常解から分岐する球対称解の局所的な分岐構造を決定することができた。ここで得られた結果は、2種競争系だけでなく、一般の反応拡散方程式へも応用可能である。ベッセル関数の研究に焦点を当てたため、本年度の目標の一つとしていた縮約された方程式の導出には至っていない。そのため、縮約された方程式の導出は来年度以降の課題としたい。
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Research Products
(2 results)