2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540163
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 潔 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70281160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 立雄 北海道大学, 名誉教授 (40109418)
田島 慎一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70155076)
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Keywords | ロー加群 / 代数解析 / 特異点理論 / ラドン変換 / 偏屈層 |
Research Abstract |
これまでの構成可能層とその射影双対性への応用の研究の成果を用いて、Gelfand-Kapranov-Zelevinskyの導入したA-判別式多様体の次元と次数を幾何学的に表現する公式を得た。またその際に発展させた一般のトーリック多様体上の多項式関数のミルナーファイバーとそのモノドロミーの研究を、近年非常に活発に研究されている多項式写像の無限遠点のまわりのモノドロミーに応用した。これまでの研究では、多項式写像の値域が複素平面の場合に無限遠点のまわりでのモノドロミー線型写像の固有値のみが主に研究されてきたが、我々の研究により値域が高次元の場合も扱えるようになり、線型写像のJordan細胞の大きさや個数などについても従来のモノドロミー定理よりもずっと強い上限の評価が得られるようになった。これは斉藤盛彦による混合Hodge加群の理論の応用であり、今後Denef-Loeserらが発展させたモチーフ積分の理論と組み合わせることで、多くの進展が期待される。さらに以上の研究を総動員して、A-超幾何微分方程式の正則関数解の無限遠点のまわりのモノドロミーを配置Aの幾何学的情報で記述する公式を得た。このようなA-超幾何関数の大域的なモノドロミーの研究は始まったばかりであり、今後不確定特異点を持つ場合なども含む形で研究を発展させていきたい。またこれらの研究で使われた手法を応用して、整数論や超関数論で重要な局所ゼータ関数の極や、実解析学でよく研究されている振動積分の漸近展開についても、多くの新しい結果を得た。
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