2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540202
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松本 和一郎 Ryukoku University, 理工学部, 教授 (40093314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (90251610)
伊藤 敏和 龍谷大学, 経済学部, 教授 (60110178)
西谷 達雄 大阪大学, 理学部, 教授 (80127117)
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Keywords | 南雲型のCauchy-Kowalevskayaの定理 / 擬Jordan型の標準形 / 系の行列式理論 / p-parabolic system / 強双曲系 |
Research Abstract |
南雲型のCauchy-Kowalevskayaの定理に関する松本による予想について、非自明な最も簡単な場合:時間微分1階に対して空間微分2階かつ2階部分のランクが1の場合には予想が正しいことが示されていたが、3×3の系で、時間微分1階に対して空間微分2階かつ2階部分のランクが2の場合にも予想が正しいことを証明できた。証明は、既に松本により得られている必要条件を具体的に書き下し、その必要条件下で、定数係数の場合のコファクター行列にあたるものが構成できることを示す。変数係数の場合は、単にコファクター行列を用いるとうまくいかないことが分かっている。4×4の系で同じ条件下で予想が正しいことが同じ手法で証明できれば、一般論への道が開けると期待できる。 P-放物系に関しては、系の標準形の導出が重要となる。既に、形式的表象のなす非可換環上の標準形が得られているが、その証明の一部を簡略化することに成功した。旧来は大掛かりな数学的帰納法に依っていたが、新しい証明は優級数によるもので、仮定が証明にぴったり寄り添う形にできた。 強双曲系に関しては、一般の双曲系に対してLevi条件を調べて、Levi条件が空集合となるものが強双曲系にほかならない、という方針で臨んでいる。本年度は、Levi条件を満たしても必ずしもE適切とは限らないクラスの詳細を得ることができた。適切性のためのオプティマルなGevreyクラスの指数を特定することに大変に苦労した。特に、これ以上クラスを広げられない、という方の証明は、パラメータ入りの常微分方程式の解のナイーヴなパラメータ依存性を用いるために、長い証明となった。
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