2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540202
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
伊藤 敏和 龍谷大学, 経済学部, 教授 (60110178)
二宮 広和 明治大学, 理工学部, 准教授 (90251610)
西谷 達雄 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80127117)
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Keywords | 南雲型のCauchy-Kowalevskayaの定理 / 擬Jordan型の標準形 / 系の行列式理論 / p-parabolic system / 強双曲系 / 超弱双曲系 |
Research Abstract |
1. 南雲型のCauchy-Kowalevskayaの定理に関する報告者による予想について、一般化への道を開くために、偏微分作用素が成す非可換上での行列式理論や行列の標準形理論の解析学的考察を行った。解析函数の場合、一致の定理によりこれらは大域的に安定である。一方、非準解析的函数を係数に持つ場合の局所理論は報告者により既に形成されている。しかし、この場合、大域的には構造は変わりうることも報告者により例示されている。構造が変わるときには係数の多くが一斉に無限次の退化をする。このことは双曲型の研究においては既に有効に用いられている。この無限次の退化を南雲型のCauchy-Kowalevskayaの定理の研究においても有効利用したく、理論の詳細化を計った。その結果、係数が時間変数にのみ依存する場合には有効利用の目処が立ってきた。少なくとも、行列のサイズが小さい場合には利用できることが判明した。 2. 強双曲系に関しては、一般の双曲系に対する初期値問題がC無限適切になるための条件(いわゆるレビ条件)を調べて、それが空集合になる場合が「強双曲系」である、という方針で望んでいる。系の本当の主要部は非可換体上の行列式理論で捕まえられるが、低階の補足が難しい。係数が解析的として、特性根の多重度が一定の場合は報告者による結果があるが、それを多重度が変わる場合に一般化する試みをした。まだ応用に耐えられるものにはなっていない。 3. p-放物系に関しては、報告者の多忙のため、分担者二宮氏と十分な共同研究時間を取れず、進展は少なかった。 これらの成果は、5月のトリエステ大学の研究会などで積極的に公表する。
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