2007 Fiscal Year Annual Research Report
時間遅れをもつ正の方程式に対する安定性とその周辺の研究
Project/Area Number |
19540203
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
村上 悟 Okayama University of Science, 理学部, 教授 (40123963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 茂保 岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
浜谷 義弘 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (40228549)
示野 信一 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60254140)
長渕 裕 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (60252607)
田中 敏 岡山理科大学, 理学部, 講師 (90331959)
|
Keywords | 関数微分方程式 / 正の方程式 / 積分微分方程式 / ボルテラ差分方程式 / スペクトル / 特性方程式 / 安定性 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
時間遅れをもつ方程式の典型例である関数微分方程式,積分微分方程式,ボルテラ差分方程式を中心に研究を行い,以下に述べる研究成果を得た.1.村上は内藤敏機(電気通信大学・教授)等との共同研究で,線形ボルテラ積分微分方程式を扱い,系の正値性と方程式の係数との関係を調べた.また,正の系に対し,解の指数安定性を積分核関数の指数減少性,および付随する常微分方程式系の安定性による特徴づけを与え,安定性を保存する摂動の大きさに風する評価を確立した.さらに,非負の核をもつ積分方程式に対して,同様の考察を行った.2.村上と長渕は,バナッハ空間上の抽象的関数微分方程式とボルテラ差分方程式を扱い,安定多様体や中心多様体などの不変多様体の存在について共同で研究を行った.相空間における定数変化法の公式を利用して,それら不変多様体の存在をある関数空間における写像の不動点の存在に帰着させることにより滑らかな不変多様体の存在を確立し,リプシッツ連続な不変多様体の存在についてのこれまでの結果の拡張を得た.3.村上は,摂動項をもつ線形関数微分方程式の解の挙動について,松永秀明(大阪府立大学・講師)と共同研究を行った.摂動項を除去した方程式に対する解作用素のスペクトルの部分集合に対応して空間を安定部分空間と不安定部分空間に直和分解し,解の切片のそれぞれの分解成分の評価を導くことにより,解の漸近挙動に関するペロン型定理を確立した.
|
Research Products
(3 results)