2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540208
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
筧 知之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70231248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
竹内 潔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70281160)
木下 保 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90301077)
|
Keywords | 対称空間 / シュレディンガー方程式 / 基本解 / ラドン変換 / 台 |
Research Abstract |
平成19年度における本研究の研究実績の概要は以下の通りである。(1)コンパクト対称空間上のシュレディンガー方程式について積分幾何および調和解析の視点から研究を行い、以下の結果を得た。コンパクト対称空間をMとし、Mは偶数重複度条件を満たすとする。そして、M上のシュレディンガー方程式の基本解をE(t,x)とする。(ここで、xはM上を動く変数、tは時間変数とする。)このとき、E(t,x)の台、及び特異台に関して 次が成立する。(a)t/2πが有理数のとき。xの超関数としてE(t,・)の台は、ある低次元の部分多様体の有限個の和集合になる。(b)t/2πが無理数のとき。xの超関数としてE(t,・)の台及び特異台はM全体と一致する。更に、上記の低次元部分多様体も具体的に構成できた。対称空間上のシュレディンガー方程式の解の台に関する研究は、これまでほとんど存在しない。この点で、この結果は重要かつ独創的である。また、シュレディンガー方程式の解が粒子の量子力学的な運動を記述することを考えると、上記の結果は、対称空間上の粒子が有理数を認識し、かつ、t/2πが有理数であるときには、ある非常に狭い領域にしか存在できない、ということを意味している。なお、平成19年8月にアイスランドで開催された国際研究集会「Integral Geometry, Harmonic Analysis and Re-presentation Theory」および平成20年3月に開催されたアメリカ数学会の研究集会 「Radon Transforms, Tomography, and Related Geometric Analysis」において、本研究の研究成果に関する講演を行った。論文は現在、準備中である。(2)フルトンゴンザレス氏とある種の等質空間上のラドン変換の像の特徴づけに関して共同研究を行い 部分的な結果は得られたが、これに関しては、まだ、研究を継続中である。
|