2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540208
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
筧 知之 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70231248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
竹内 潔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70281160)
木下 保 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90301077)
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Keywords | 対称空間 / シュレディンガー方程式 / 基本解 / ラドン変換 / 台 |
Research Abstract |
平成21年度は、引き続き、(1)コンパクト対称空間上のシュレディンガー方程式の研究、および(2)一般化されたマトリックスラドン変換の研究、を行った。まず、(1)について述べる。得られた結果は以下の通り。M=U/Kを偶数重複度条件を満たすコンパクト対称空間とする。すると、M上のシュレディンガー方程式の基本解の台はt/cが有理数の時、低次元部分集合となり、t/cが無理数の時、M全体と一致する。ここで、cはMの幾何学的構造から決まる定数である。また、有理数時間において、基本解は、一般化されたガウス和で表わされることも突き止めた。通常のシュレディンガー方程式の基本解はこのような性質をもたないという点で、これは極めて奇妙な現象であると言える。本研究も、出発点ではラドン変換の応用として解の構成を考えていたが、結果としてラドン変換を用いないやり方でこのような結果を得た。しかし本研究は、シュレディンガー方程式の解を構成する新しい方法を与えたという点では意義がおる。尚、本結果を、論文「Support Theorem for the fundamental solution to the Schoedinger equation on a compact symmetric space]としてまとめ、昨年投稿した。しかし、現在も投稿中の状態である。 (2)については、ラドン変換に対する反転公式および像を特徴づける微分作用素を具体的に構造するこが出来、予想されていた結果を証明することに成功した。現在、論文を準備中である。また、関連する多重時間波動方程式系への応用についても考察を行った。
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