2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンモニアの吸収スペクトル線を用いた系外銀河中心部の運動、及び分子組成の研究
Project/Area Number |
19540243
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
高野 秀路 National Astronomical Observatory of Japan, 野辺山宇宙電波観測所, 助教 (00222084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 康一郎 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教 (60399277)
中井 直正 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (80192665)
鷹野 敏明 千葉大学, 工学研究科, 准教授 (40183058)
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Keywords | 電波天文学 / 宇宙空間 / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実績として、主に銀河Arp 220でのアンモニアの吸収スペクトルの線幅の測定法を確立させることを目指して、下記の観測、データの処理、および解析を行った。研究の実施に当たって工夫および考慮した点は以下の通りである。 1. 電波分光計として、これまでに帯域幅250MHzのものを用いてきたが、この帯域幅では幅広い吸収線を観測する場合に、必ずしも十分な速度範囲のベースラインを確保することができない。そこで、最近使用が可能となった2倍の帯域幅(512MHz)を持つデジタル型の分光計を併用し、そのデータを使用した。 2. スペクトルのベースラインをより平らにすることは、本研究のような線幅の広い天体を観測する際には、スペクトル線の検出の信頼性を上げるために重要である。そのために、観測中に観測システムを安定化させ、例えば信号のレベル変動などを起こしにくいようにすることが重要である。そのために、具体的には受信機の局部発振器の周波数の更新の頻度を必要最小限に抑えた。 3. 天体がないブランクスカイの観測データも用い、スペクトルがない状態でのベースラインの性質を把握した。 4. 一方、予期しなかったこととして、上記のデジタル型の分光計におけるスペクトル強度について、場合によっては問題があることがわかり、それについて検討を進めている。 以上の研究により、スペクトルの線幅の測定法を確立に近付いており、本研究の基礎ができてきた状況である。
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