2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉ニュートリノ振動実験DCHOOZのためのGd入り液体シンチレータの開発
Project/Area Number |
19540298
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 俊雄 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (50156486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 州 神戸大学, 理学研究科, 助教 (20243298)
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Keywords | 原子炉ニュートリノ / 液体シンチレータ / DCHOOZ / 波形弁別法 / ニュートリノ振動 |
Research Abstract |
原子炉ニュートリノ振動実験DCHOOZで標的として使用するGd入り液体シンチレータの構成は、[numerical formula]とした。この標的を囲むγ捕獲部分には、上記液体シンチレータからGdを除いた液体シンチレータを採用する。この液体シンチレータをPXEベース液体シンチレータと呼ぶことにする。原子炉ニュートリノ反応の検出は、反[numerical formula]の反応を起こさせ、その次に起こる[numerical formula](即時信号)と[numerical formula](遅延信号)を捉えることで行う。そのバックグラウンドとなる反応は、外部から入射した高速中性子の高速n+静止p→減速n+反眺pの反応を即時信号と間違うことにより起こる。それを除去するために、γ由来の信号波形とnによる反跳p由来の信号波形との弁別可能性を調べた。放射線源は、252Cf(放出放射線はγ(<1MeV)80%、n(〜2MeV)20%)を使用し、信号取得のゲート幅を変えての測定に加えて、Flash ADCを用いた波形測定を行った。液体シンチレータとして、BC501・Aと、高速原子炉(常陽)ニュートリノ測定に使用した常陽タイプ液体シンチレータに加えて、PXEベース液体シンチレータを使用した。信号取得のゲート幅を変えての測定では、BC501・Aの場合、明らかにγ由来とnによる反跳p由来の信号波形が異なり、弁別が可能であることが分かった。他の2種類は、BC501・Aのような明らかな差はないが、やはりγ由来とnによる反跳p由来の信号波形に異なる部分が見られ、弁別の可能性がある。Flash ADCを用いた波形測定では、3種類ともnによる反跳p由来の信号の時定数が大きくなる兆候が確認されている。今後、解析の最適化とともに、再度中性子源でのテストを行い、改善を図る予定である。
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