2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー宇宙ニュートリノ・電子の新しい観測・解析の為のN-K関数の適用と改良
Project/Area Number |
19540323
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
西村 純 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 名誉教授 (40013619)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙科学 / 応用数学 |
Research Abstract |
1.高エネルギー宇宙ニユートリノが南極の氷中で発生する荷電粒子によるチェレンコフ光を検出するIce Cubeの実験では、放出された光は氷中で散乱効果を受ける。散乱効果をdiffusion近似で取り扱い光の空間分布について解析解を求めた。解析解の一部をモンテカルロの計算結果と比較して、光の散乱のある氷中の実験データの解析を精度よく行う事が出来る事を確かめた。吸収係数の効果が散乱の効果を上回る水中の場合も含めて、各々の場合の光子の空間分布の特徴を明らかにして総括し、論文をしかるべきにJourに出版する予定である。 2.従来の筆者らの行ったECCに加えて、最近ATIC, PPB-BETS, Fermi, HESS等による高エネルギー宇宙電子の新しい観測が加わった。各々のスペクトルの形の一致は必ずしもよくないが、電子の発生源として暗黒物質の可能性も提案され議論を呼んでいる。 その際、大量にある陽子のバックグランドの除去を行い、精度のよいe/P分離を行う事が必要である。 ATIC, PPB-BETS, Fermiでは主に核子によるシャワーと電子シャワーの広がりの違いを利用して分離が行われている。NK関数を用いて電子シャワーの横広がりの精度を加速器の電子ビームを用いた実験で確かめ、どのようなパラメータがe/P分離に最も有効であるかを導き、実験に適用しこれらの実験の再解析を行うことを検討している。 3.ECCの観測スペクトルについては、さらに新しい観測データを加えて、LPM効果、大気電子の寄与、大気中のエネルギ0損失に伴う、スペクトルの変形の解析を行った。 結果の一部は昨年7月にPolandで行われた第31回宇宙線国際学会および筑波で行われて第27回宇宙技術および科学の国際シンポジューム(International Symposium of Space Technology and Science)で発表した
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Research Products
(3 results)