2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540351
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
猪野 隆 High Energy Accelerator Research Organization, 大強度陽子加速器計画推進部, 研究機関講師 (10301722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 豪 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (90249904)
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Keywords | 粒子線 / 中性子偏極 / 磁気回路 / ヘリウム3偏極 / 磁気レンズ |
Research Abstract |
2007年度は、中性子偏極用四極磁気回路の設計及び部品の製作を行った。四極磁気回路の設計では、できるだけ大きな磁場勾配を発生するため、永久磁石にネオジム磁石を用い、またハルバッハ配列を採用することとした。四極磁場のシミュレーション計算には、Poisson-Superfishコードを用い、磁気回路断面に対して2次元での計算を行った。様々な条件で磁場計算を行った結果、最終的には四極磁気回路の製作にかかるコストとその性能である磁場勾配の大きさを考慮して、四極磁気回路の直径は10cm、四極磁場の口径は10mmとした。この四極磁気回路は、2次元シミュレーション計算による設計値では、350T/m以上の磁場勾配を発生するものとなった。この磁場設計に基づき、磁石片及び磁気回路の組み立てに必要な部品等の詳細設計と製作を行った。 一方、中性子ビームによるテスト実験を行うJRR-3NOPビームラインにおけるビーム特性の測定も行った。特に、ビームの発散角及びバックグランドの強度を測定し、偏極テストにおける実験条件を決めるための情報を得た。この結果により、実験で用いる偏極解析用のヘリウム3中性子スピンフィルターのデザインを検討した。バックグランドがない条件では、偏極率測定において、ヘリウム3の実効的厚さ(密度×厚さ)を大きくするほど精度が上がる。しかし、透過中性子の強度が弱くなるため、バックグランドの存在する実際の実験条件では、この効果が大きくなり、測定精度を制限してしまう。今後、詳細な検討を進め、最適な実験条件を決定する。
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