2008 Fiscal Year Annual Research Report
非ブロッホ系希土類合金における重い電子と超伝導に関する研究
Project/Area Number |
19540353
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
村山 茂幸 Muroran Institute of Technology, 工学部, 教授 (10157802)
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Keywords | 強相関電子系 / 構造不規則系 / 重い電子系 / 超伝導 / フェルミ液体 / アモルファス |
Research Abstract |
構造不規則型希土類合金における強相関電子物性を明らかにするため、高速4極直流スパッタリング法を用いて、非晶質合金CeM, M=Mn, Y, Ruを作製し、X線回折およびEXAFS実験により非晶質合金CeMの不規則構造およびCeの価数と局所構造を明らかにした。 続いて、作製された試料の熱膨張、磁化率、比熱、電気抵抗の温度依存性を、それぞれ精度良く測定した。その結果、非晶質CeYMn, CeRuにおいてCe濃度とともに電子比熱係数γが増大し、電気抵抗ρの-logT依存性および抵抗極大が観測され、Ce高濃度側では低温極限でT^2依存性が観測された。また、Kadowaki-Woods則が成り立つことも示された。これらの結果は、Ceの4f電子が近藤効果を起こしCe高濃度側では重い電子を形成することを示すもので、非ブロッホ系においても遍歴的な重い準粒子バンドが発生することを、ほとんど世界で初めて明らかにした。一方、CeMnのMn高濃度側では、Mn濃度に応じて巨大な熱膨張係数が発生することが明らかになった。これは、Mnの3d電子が熱弾性に大きく関与することを示すものである。また、CeRuのRu高濃度側では電子比熱係数γが急速に減少するとともに、Ru>60%では超伝導が発生し、Ru濃度の増加とともに超伝導転移温度が上昇し最高温度3.5Kを示した。 さらに、琉球大学理学部NMR研究室の協力により、非晶質CeMnのCe高濃度試料の^<55>Mn-NMR実験が行われた。その結果、核磁気緩和時間1/T_1が低温極限で温度Tに比例することが観測され、ミクロな視点から初めて、構造不規則系における遍歴4f電子の存在が明らかにされた
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Research Products
(4 results)