2007 Fiscal Year Annual Research Report
全三畳系海洋イベントの解析-繰り返される深海無酸素事変-
Project/Area Number |
19540482
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀 利栄 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (30263924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 一人 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 教授 (00153560)
池原 実 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 准教授 (90335919)
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Keywords | 三畳系 / 海洋無酸素事変 / 炭素同位体層序 / 放散虫 / 古地磁気層序 |
Research Abstract |
平成19年度においては、以下のような成果が得られた。1)日本の深海堆積層より、三畳系上部(特に三畳系/ジュラ系境界付近)の詳細な有機炭素同位体層序を明らかにすることができた。従来の検討課題だったNorian/Rhaetian境界には明確な同位体比の変動がない可能性が高くなった。これは、ヨーロッパにおける検討結果と調和的であり、グローバルな傾向である事が示唆される。また、上部三畳系の漸進的な炭素同位体比の負へのシフトと、三畳系/ジュラ系境界直下における著しい正への変動がより明確になった。この同位体比の正のスパイクの要因は、C/N比等の検討から、起源物質の混合比率の変化ではなく、グローバルな炭素循環の変動を表していることが明らかになった。このような正のスパイクは南米チリでも報告されており、パンサラッサ海域での生物生産量の増加または大規模な火山噴火(LIPs)などが原因として考えられ、他の同位体分析による要因解明を平成20年度に行う予定である。2)古地磁気層序学的解析は、現在検討中である。上記同位体比層序が明確になった層準および下部三畳系OAE層準の試料の採取をおこなった。現在分析のための試料加工中である。平成20年前半に測定を行う予定。 3)ニュージーランドの下部三畳系の試料において、放散虫およびコノドント微化石層序の検討から、新たな下部三畳系OAE深海堆積物が発見された。この発見により、古地磁気測定から少なくとも南緯34度の海山裾の深海に無酸素海域がひろがっていたことが明らかになった。今後、本新セクションにおける同位体比層序を検討し、南半球深海に記録された同位体比変動を総合的に明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)