2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒノキ及びスギ標準年輪曲線の延長と気候復元の高精度化
Project/Area Number |
19540493
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
米延 仁志 Naruto University of Education, 学校教育学部, 助教 (20274277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助教 (30293690)
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Keywords | 年輪年代学 / 年輪気候学 / 標準年輪曲線 / 気候復元 / 高精度化 / ヒノキ / スギ |
Research Abstract |
内容:本年度は、標準曲線作成の目処が立っている中部山岳のヒノキと東北地方のスギを中心に試料の拡充と年輪計測を重点的に進めた。具体的な成果は以下のとおり。(1)現有試料のデータベースを作成した。(2)ヒノキ埋没木試料を収集し、その半数近くについて年輪幅計測と年輪年代測定を行った。その結果、BC30〜AD740ころまでの標準年輪曲線を作成した。(3)スギの現生木試料を3地点で収集し、標準年輪曲線を作成した。(3)スギの年輪解析を行い、気候との応答様式を明らかにした。また気候復元の性能を検証し、良好な結果を得た。(4)ヒノキ埋没木の加速器14C年代測定を実施し、ウイグルマッチング法により、年輪年代と調和的な成果を得た。(5)東北・四国地域での考古材に関する情報収集を収集した。(6)査読雑誌に論文が掲載された(1編)。国際学会で研究成果を発表した(2件)。東北地方のスギの年輪気候学的解析に関する研究成果をほぼ纏め終わり、次年度早々に査読雑誌に投稿できる目途がついた。 意義・重要性:ヒノキ標準年輪曲線について当初の計画より長いものが得られた(過去2000年超)。この成果により、年輪を用いた古気候学において国際的な水準に到達した。また複数の測定法で年代の相互チェックは古気候復元の信頼性を確保する上できわめて重要な成果である。さらにスギについては東北北部・中部太平洋側・四国で標準年輪曲線の作成に成功し、広域の気候場復元に関する基礎データを得ることができた。これは東アジアでは前例が無い。
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Research Products
(5 results)