2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540523
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
河野 光雄 Chuo University, 総合政策学部, 教授 (00038564)
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Keywords | 異常EXBドリフト / 台風様渦 / 異常粘性 |
Research Abstract |
核融合科学研究所の基礎実験装置HYPER-Iで観測された定常な台風様渦構造の形成メカニズムを再現する非線形定常解を求めた。台風様構造のコアがFXRドリフトの異常分枝と正常分枝からなることを仮説として、磁化プラズマの2流体近似を用いて、非線形解を求めた。これまでは現象論的に、実験で与えられるポテンシャルを使って密度分布を求め、それが実験とよく合うことを示していたが、ここではポテンシャルそのものを理論的に決定するために、非線形定常解の近似解を求めることとし、コアの中心部と周縁部をそれぞれ異常EXBドリフトと正常EXBドリフトによって支配されているとして、異なる偏微分方程式であらわした。台風様渦の中心部ではイオンのサイクロトロン回転の極性とイオンのEXBドリフトの回転のそれとが反対のため、その和がゼロになる点が存在し、それが異常ドリフトと正常ドリフトを分ける結節点になっている。この点では粘性が効いてきて、ポテンシャルは粘性由来の拡散型の方程式から決まる。つまり渦のコアの中心部とコアの周縁部、そして結節点近傍の方程式を数値的に解いて、滑らかにつなぐと、実験で得られたポテンシャル構造を再現できた。このポテンシャルを使って求めた密度分布は台風様構造を示し、実験データとの一致を見た。 台風様渦構造の励起は、大振幅ポテンシャルの形成にあり、それが異常EXBドリフトを励起し、この遠心力と圧力が釣り合って中空の密度分布が形成されるものである。 結節点で解が滑らかにつながるためには、粘性は古典粘性ではなくその400倍の大きさを持つ異常粘性、つまり渦の特性長(音速をサイクロトロン振動数で割ったもの)と回転時間から決まるものにほぼ等しく、渦が励起されているシステムの輸送の特徴である。
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