2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 諒子 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (20156623)
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Keywords | 天然高分子 / ナノ材料 / 磁場配向 / 液晶 / 構造制御 / 電子顕微鏡 / バクテリアセルロース / ホヤ |
Research Abstract |
持続可能な資源循環型社会をつくることは、21世紀の最重要課題の一つである。それを実現するために、環境および資源問題に対応できる天然高分子材料の有効利用が望まれる。 本研究では、天然有機高分子であるセルロース、キチン、キトサン及び天然無機高分子であるイモゴライトよりナノサイズの構造体を作製し、磁場により構造を制御し、環境にやさしい新規材料を開発することを目的とする。 本年度は、下記のような結果を得た。 1. 原作動物であるホヤを購入し、その外皮を精製漂白してホヤセルロースを得た。ホモジナイザーで微細化後、4N塩酸で処理し、次に2,2,6,6-テトラメチルピベリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)を用いて、表面のヒドロキシル基を酸化してカル-1-ボキシル基を一部導入し、セルロースナノファイバーを作製した。得られたセルロースナノファイバーの水懸濁液の相分離挙動および磁場配向挙動を調べた。 2. ホヤを濃硫酸で処理してセルロースナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーのキャラクタリゼーションを現在進行中である。 3. 天然無機高分子であるイモゴライトを精製し、超音波処理により長さを数百nmに調整した。得られたイモゴライトをpH=3の酢酸水溶液に溶解し、形成した液晶相が磁場下で配向するかどうかを検討した。800mTの磁場下ではイモゴライトは配向しないが、高磁場(9T)下では、磁場に対して垂直に配向することがわかった。現在詳細に検討中である。
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