2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 諒子 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (20156623)
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Keywords | ホヤ / セルロースナノファイバー / 磁場配向 / 液晶 / 構造制御 / 電子顕微鏡 / ナノ材料 |
Research Abstract |
持続可能な資源循環型社会をつくることは、21世紀の最重要課題の一つである。それを実現するために、環境および資源問題に対応できる天然高分子材料の有効利用が望まれる。 本年度は、主としてホヤセルロースを用い、下記のような結果を得た。 1.昨年度に精製漂白したホヤセルロースを用い、濃硫酸で処理してセルロースナノファイバーを作製した。本研究では、セルロースナノファイバーの水懸濁液の液晶形成に及ぼす超音波処理の効果およびナノファイバーの長さの影響について検討した。超音波処理時間が長くなるにつれてナノファイバーの長さは短くなり、長さの分布が狭くなった。その結果、超音波処理時間が長くなるにつれて液晶相を形成するに必要なセルロース濃度が増加した。超音波処理時間が4分以内の場合は、キラルネマチックのピッチは観察出来なかったが、14分以上では、明瞭なキラルネマチックのピッチが観察できた。ナノファイバーの長さが短く、かつ長さの分布が狭い場合のみ磁場配向することがわかった。 2.ホヤセルロースの液晶紡糸が可能かどうかの検討を行った。注射針と注射器を用いて糸状のセルロースを作製することに成功したが、細いファイバーができなかった。また、強度が弱かった。ナノファイバーの長さの分布を狭くすることが必要であることがわかった。 3.表面開始リビングラジカル重合を用いて、セルロースナノファイバー表面に、長さの揃った合成高分子を高密度にグラフトすることを検討している。ホヤセルロースナノファイバー表面の水酸基に重合開始基を導入することに成功した。開始期からのグラフト重合をさらに検討中である。
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Research Products
(2 results)