2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560195
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大河 誠司 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60201373)
|
Keywords | 環境技術 / 浄化 / 結晶成長 / 熱工学 / 水資源 / 水質汚染 |
Research Abstract |
不純物などの濃縮による除去方法の一つに凍結濃縮法がある。中でも界面前進法は冷却面上に氷を生成させる方法であり、エネルギー消費は大きい反面、除去性能が良いことで知られている。しかし、その際に生成される氷は特に制御していない多結晶であり、氷の異方性という特異な性質を生かす研究は見当たらない。本研究では、生成する氷に一定の結晶軸を持たせることにより、固液界面と結晶軸との関係により不純物の取り込み率にどのような違いが生じるかを実験的に明らかにし、最も除去性能の良い界面前進法を提案することを目的としている。具体的には、塩化ナトリウム水溶液の凝固実験を行い、別途作成した単結晶氷を用いることにより、多結晶、単結晶(c軸を法線方向にしたもの)、単結晶(a軸を法線方向にしたもの)の3種類の氷を冷却面上で成長させ、その上に塩化ナトリウム水溶液を流し、各種氷が凝固成長する際に取り込む溶質の濃度の測定を行った。その結果、結晶構造及び流量,成長速度をパラメータとした凍結濃縮実験の結果から,水溶液中に生成する氷の成長方向に濃度分布が生じることを明らかにした。また、多結晶氷が水溶液中で生成する際、氷の成長と共に結晶の粒径が縮小し,結晶粒子界面での溶質の取り込み量が増加することを明らかにした。さらに、溶質の取り込み量は,多結晶氷,単結晶a軸方向,単結晶c軸方向の順に減少することを明らかにしました.特に、c軸を法線方向に持つ氷の面を成長させると、取り込み濃度が2桁近く小さくなることを明らかにし、違いが生じるメカニズムについても考察を行った。
|