2007 Fiscal Year Annual Research Report
省エネ型・高効率内燃機関用噴射ノズルの実用開発と燃焼特性の改善
Project/Area Number |
19560217
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
玉木 伸茂 Kinki University, 工学部, 准教授 (70298933)
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Keywords | 熱工学 / 流体工学 / 省エネルギー / エネルギー効率化 / 二酸化炭素排出 |
Research Abstract |
実機ノズルの噴孔径を約10倍に拡大したノズルを製作し、大気圧雰囲気下に定常噴射し、噴射流量の増加と、噴霧の微粒化特性の向上に効果的なノズルの幾何学形状・寸法を決定した。(1)ノズルの噴孔入口部に曲率を設ける、(2)これまでに開発した微粒化促進ノズルの特徴である噴孔部とノズルサック室を結ぶ連絡孔(バイパス)の本数を増やすことで噴射流量が大幅に増加し、流量特性が改善できた。また、液柱の長さが短く、噴霧の広がりが大きい高分散噴霧が得られ、噴霧の微粒化特性と流量特性を同時に改善することができた。これらの結果に基づき、実機寸法ノズルを設計すると、従来よりも低い噴射圧(省エネ)で噴霧特性と流量特性を大幅に改善できる可能性があり、実用化が可能である。また、大気圧雰囲気下であるが、実機ディーゼルインジェクタに開発したノズルを装着し、間欠噴射時の噴霧の微粒化(分散)状態、噴霧先端到達距離(貫徹力)を調べた結果、定常噴射時で良好な噴霧特性が得られた幾何学形状・寸法のノズルは、間欠噴射時においてもほぼ同じ結果が得られた。また、噴霧先端到達距離は従来のディーゼルノズルよりも短く、高貫徹力噴霧は得られないが、噴霧の広がりは大きく、高分散噴霧が得られた。このように、開発したノズルは、間欠噴射時において従来のノズルよりも高分散噴霧が得られることから、実機と同じ高圧雰囲気下においても同様の成果が期待できる。これまで、噴孔が1本の単噴孔ノズルを用いてきたが、噴孔が複数本の多噴孔ノズルを用いると、噴孔数と噴孔の配置にもよるが、低い噴射圧において単噴孔ノズルよりも噴霧の広がりがかなり大きくなり、噴霧の微粒化特性を大幅に改善できた。したがって、この多噴孔ノズルを実機ディーゼルインジェクタに装着し、間欠噴射させると、単噴孔ノズルと同様に、さらに高分散噴霧が得られるものと思われ、燃焼特性と排出ガス特性の改善、さらには燃費の改善に役立つものと思われる。
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Research Products
(3 results)