2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル源を併用したHW-CVD技術の開発と不純物転化ナノ結晶薄膜作成への応用
Project/Area Number |
19560314
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田畑 彰守 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20227250)
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Keywords | ホットワイヤー化学気相成長法 / ナノ結晶 / 炭化シリコン / ラジカル源 |
Research Abstract |
N_2ガスをドーパントガスとしてn型ナノ結晶3C-SiC薄膜の開発に関する研究を行い、〜3S/cmの電気伝導度を有するn型膜の作製に成功した。予備実験としてホットフィラメントによるN_2ガス分解に関する研究も行い、以下に述べる知見が得られた。 1)フィラメント温度T_f=1600℃においてN_2は分解するが、分解効率は低い。T_fの上昇によりN_2分解は促進する。特にT_f=1900から2000℃に上げたときN_2分解は劇的に増加した。しかし、T_f=2100℃におけるN_2分解量はT_f=2000℃と比べほとんど変化しなかった。これはN_2ガス供給律速によるものと考えられる。 2)SiH_4/CH_4/H_2ガス流量を1/1/200sccmとしてN_2ガス流量を変化させてnc-3C-SiC薄膜を作製した。N_2ガス流量0から10sccmに増加させると、暗電気伝導は0.3S/cmまで増加し、その活性化エネルギーは28meVまで低下した。しかし、N_2ガス流量10から50sccmの範囲では暗電気伝導度およびその活性化エネルギーは変化しなかった。N原子の膜中混入は膜の結晶性を低下させた。そのため、ドーパント量は増えるが構造の乱れによる輸送特性の低下により見かけ上電導特性が変化しなかったと考えられる。 3)N_2ガス流量を50sccmとして、H_2ガス流量を増加させると電気伝導度は向上した。1000sccmのとき〜3S/cmを得た。これは、H_2ガス流量の増加に伴い膜の結晶性が改善されたためである。
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