2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル源を併用したHW-CVD技術の開発と不純物転化ナノ結晶薄膜作成への応用
Project/Area Number |
19560314
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田畑 彰守 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20227250)
|
Keywords | ホットワイヤー化学気相成長法 / ナノ結晶 / 炭化シリコン / ラジカル源 |
Research Abstract |
SiH_4/CH_4を原料としたホットワイヤーCVD法によるn型およびp型ナノ結晶3C-SiC(nc-3C-SiC)薄膜の作製に関する研究を行った。 1. 高い電気伝導を有するNドープn型nc-3C-SiC薄膜作製のための以下の知見を得た。 (1)N_2ガス流量を増加させると、Si組成は変化しないが、N組成は増加し、C組成は低下した。また、ナノ結晶SiCの結晶性は低下した。その結果、ドーピング効率すなわちドーパントとして働くN原子の膜中N原子に対する割合は低下した。そのため、N原子の取り込み量が少ない領域では、N組成の増加に伴いキャリア濃度は増加し、電気伝導度は向上した。しかし、N原子の取り込み量が多い領域になると結晶性の低下の効果が顕著となり、キャリア濃度は低下し、電気伝導度は低下した。 (2)H_2ガス流量を増加させると、Si組成は変化しないが、N組成は低下し、C組成は増加した。また、結晶性は向上した。その結果、ドーピング効率は改善され、キャリア濃度は増加し、電気電導度は改善した。 (3)高いH_2およびN_2ガス流量の条件にて、5S/cmのn型膜を作成することに成功した。 2. Gaをドーパントとしてp型nc-3C-SiC薄膜の作製に関する研究を行った。 (1)Ga供給のラジカル源へのH_2ガス流量を増加させると、Gaの膜中への取り込み量は増加し、電気伝導度は改善した。 (2)固形物をドーピングの原料に用いても、本研究で開発したラジカル源を併用することにより容易に不純物添加が可能であることを実証した。
|