2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳波を用いたユーザ適応型ヒューマンインターフェース(BCI)のシステム化
Project/Area Number |
19560414
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加納 慎一郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00282103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉信 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30243265)
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828)
星宮 望 東北学院大学, 学長 (50005394)
半田 康延 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00111790)
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Keywords | 計測工学 / 神経科学 / 脳・神経 / 生物・生体工学 / 情報工学 / BCI (brain-computer interface) / 脳・コンピュータ間インターフェース / 脳波 |
Research Abstract |
本研究では,従来の脳波ベースのBCI(brain-computer interface)で問題になっていたユーザへの親和性,適応性を改善し,ユーザ適応性の高いBCIを実現することを目指す.本年度は,脳波,磁気共鳴画像法(fMRI)や近赤外線分光法(NIRS)の計測結果を併用して,ユーザの脳活動を詳細に評価し,また,成績向上のために行う訓練の効果を定量化した. 被験者に対するスクリーニングテストの実施と訓練効果の定量化:健常被験者が右手,左手あるいは足の動作,およびそのイメージを行う際の脳波を多チャネル計測し,計測された脳波の時間-周波数特性を詳細に調べた.また,実験中に被験者から観測されるβ波の脳波帯域強度を信号源として被験者にフィードバック訓練ことで,訓練の効果を検討した.これらの結果,運動のイメージの有無を脳波から検出する際の脳波の帯域強度成分の個体差,およびフィードバック訓練によるフィードバック対象の脳波帯域成分の増強が観測され,トレーニングによりBCIコマンドの検出成績を向上させるための定量的結果が得られた. 聴覚刺激を用いたBCIシステムの提案:聴覚刺激に対する選択的注意により生じる事象関連電位を検出するBCIシステムを提案した.本システムでは音脈分凝とよばれる一種の錯覚現象によって知覚される2種類の音脈の一方に注目をすることにより,事象関連電位から注意対象を推定するものである.実験の結果,このシステムの実現可能性が示された. fMRIによるBCIのための脳活動解析:BCIの適用対象であるユーザの脳活動をfMRIにより観察するための撮像プロトコルの策定を行った.今後,fMRIにより脳活動を詳細に観測し,またフィードバックの効果の定量化などを行う. 運動イメージ時の脳血流分布のNIRSによる検証:NIRSを用いて,運動イメージ課題時の脳活動の定量化の実験を行った.本実験の結果,運動操作のイメージをNIRSによって高精度に検出できる可能性が示された.
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Research Products
(11 results)