Research Abstract |
主として,回転水槽を用いた室内実験を行った.回転水槽は,長さ4.5m,幅0.4m,であり,2成層システムは,上下層厚0.15m,界面厚さ約1.5cmで作成された.水槽の回転速度はコントロールされており,5秒から300秒で1回転させることにより,コリオリ力を考慮することが出来るようになっている.これまで,コリオリ力を考慮しない実験は多く行われてきているが,体系だった室内実験が行われているとは言いがたい.そこで本研究では,コリオリ力を考慮しないで,内部イリバレン数および本研究で提案する砕波限界振幅を利用した,内部波の砕波に関する体系化を試みた.体系化は,一定勾配の斜面上へ,波長と周期を変化させることにより種々の実験条件を与えて行われた.実験の測定には,伝導度計を用いた密度測定,およびPIV計測が利用された.その結果,本研究で提案している砕波指標を用いることにより,ある程度の体系化が可能であり,特に,その指標を利用することにより,長期の物質輸送に重要な役割を果たしている残差流に関する分類分けを行うことが可能であることが示された. その後,コリオリ力を考慮した実験も行った.その際,コリオリ力を考慮することにより発生する,3次元性の卓越を示す横断方向の流れを確認することが出来た.その流れが,特に,上層における水平循環を生み出している可能性があり,長期における物質輸送に重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
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