2008 Fiscal Year Annual Research Report
斜面に連続的に作用する内部ケルビン波により誘起される水平循環メカニズムの解明
Project/Area Number |
19560524
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 恵介 Kitami Institute of Technology, 工学部, 教授 (60271649)
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Keywords | 内部波 / 内部ケルビン波 / 残差流 / コリオリカ / 砕波 |
Research Abstract |
内部波の砕波による物質輸送機構解明のため, 現地観測, 室内実験, 数値計算を行った. 現地観測では, 海水の影響により明確な2成層が形成される網走湖を対象とした計測を行った. 網走湖では, 塩水と淡水の境界面の厚さ(界面厚さ)が50cm程度であるため, 塩分水温計を界面を中心として50cm間隔で10ヶ配置し, 時間変化を計測した. その結果, 内部ケルビン波の1次モードの波長である8時間程度の波が卓越していることを観測することができた. それ以外の波の影響は少ないことが分かったが, より高周波な波に着目すると, 5分程度の周期の内部ソリトン波が存在していることが示された. その5分周期の波の計測を試みたが, 計測器の容量の問題から, 平成20年度は残念ながら計測することができなかった. 平成21年度への継続課題である. 網走湖で見られた内部ケルビン波の影響を調べるためには, コリオリカが存在しない場における現象の把握を行わなくてはならない. そこで, 本研究で提案された砕波指標を利用して体系だった内部波の砕波と残差流について検討した. 砕波形態について検討した結果, Collapsingタイプの砕波が卓越しており, Plungingタイプは存在しにくいことが示された. 今後, 現地計測の結果をもとに検証してゆく予定である. また, 数値計算モデルを用いた検討を行い, 砕波指標を利用した残差流による物質輸送の定量的な評価を可能とした. 今後, クリティカルレベルとの関係を考慮した残差流の検討を行い, 平成21年度は, より詳細な残差流と物質輸送機構の解明を行う予定である.
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Research Products
(5 results)